「サプリメント」の分類分けを行うにあたって、日本では、サプリメントと呼ばれる枠に収まっていながらも、海外での世界的な基準の中では、薬理作用を持った製品もあるようです。サプリメントを薬として用いることで、その代用をしようというような考えは、危険を伴う考え方ではあるとは思われますが、サプリメントの中にも、そのような作用をもったものがある、というような認識は必要であると考えています。
サプリメントは、医師などの処方なしに、ドラッグストアなどで、気軽に購入できるものですが、その用途をきちんと理解して使用できるかは、全て購入者の皆さんの判断や行動となるようです。サプリメントは、健康食品であるというような認識はあるかもしれませんが、どのような成分や作用があるのかまでは、なかなか知り得ていないのではないかと思われます。
ビタミン、ミネラル成分はもちろん、サプリメントの代表格となりますが、その他にも、卵黄、ニンニク、すっぽん、マムシ、酢、イチョウ葉、センナ、カモミールなどの、加工食品や薬草など、幅広い素材が使われているのです。
それぞれの成分や、その作用、危機目の度合いなど、皆さんが、どうしてサプリメントを摂取されたいのかといった理由付けを含め、一度、店頭でサプリメント製品を手に取って頂く前に、その必要性について考えて頂ければと思います。
話題のNMN
NMNはビタミンB3に含まれている物質で、もともとあらゆる生物の細胞内に自然に生成されるものとなっています。NMN自体は加齢に伴ってどんどん減ってしまうもので、老化と密接な関係にあることがわかっていることから、1960年代に発見されて以来世界中でさまざまな研究が行われてきました。
中でも若返りの効果に関しては、マウスの実験を中心に有効なデータも得られるようになり、老化メカニズムの解明と共に研究が進んでいます。そして抗老化候補物質NMNが、安全にヒトに投与できることが最新の研究によって明らかになってきました。健康な人を対象に臨床研究がおこなわれ、成果を得られることがわかったのです。
食品では、ブロッコリーや枝豆に多く含まれていますが、食事から摂れるとなるとかなりの量を食べる必要があります。もともと体内にあるNMNですが、加齢とともに生産能力が減退し、体の修復機能も失われていくとされています。
不足している分は、食品から摂取して補うという方法もありますが、食品に含まれる量はそれほど多くありませんので、毎日食事だけで補うのは難しいものがあります。
そこで、最近では、効率よくNMNをとれるサプリメントや健康食品も登場し、健康やエイジングケアを意識する人達に選ばれています。
サプリメントの使い方とトラブル例
「骨粗しょう症」は、女性に多い傾向がありますが、特に閉経後、女性ホルモンのバランスが変化する事などが、影響していると考えられています。
健康診断などで、骨密度を計測するような事はあるのではないかと思われますが、骨粗しょう症の治療などがあるような場合は、きちんとした医療での診察を行う事が第一となります。自己判断で、サプリメントや食生活の中で、過剰なカルシウムを摂取する事で、思わぬ身体的なトラブルを招いてしまう可能性もあります。
一般的に、「骨粗しょう症=カルシウム」などのイメージがあるかもしれませんが、骨粗しょう症の患者さんが、既に、医師の診断を受けて治療を開始している状態で、カルシウムなどのサプリメントを過剰に摂取することは、高カルシウム血症などを起こす可能性があると言われています。
よかれと思った事が、逆に身体にダメージを与えてしまうケースもある事を認識していなくてはなりません。何かの症状を改善する為に、サプリメントを摂取するような場合は、その回復に集中するあまりに、過剰な栄養素の摂取などを試みてしまうような人が少なくないと言います。
身体に良いからといって、過剰にサプリメントなどを乱用する事は、思わぬ体調の不良を招いてしまうかもしれません。サプリメントなどで、栄養素を補給しようとしますと、錠剤やパウダーなどによって、摂取し易い状態になっている事が多いので、多量に摂取する事にためらいがなくなってしまうこともあります。
何事も過度に行うことで、良い結果は生まれません。栄養素は、多種同士、相互に作用する事でその成分のもつ特性が、活かされたり、台無しになったりもするものなのです。そのような相互作用をもたらす栄養素の摂取を誤ると、本来必要であった成分の力が、減弱したりしてしまうことも免れません。
素人判断で、健康食品などをいくつも摂取していますと、知らず知らずのうちに栄養成分が重複してしまい、過剰に同栄養素を摂取してしまうような事態にもなりか兼ねません。サプリメントは、健康食品であるとは言われますが、勝手な自己判断で、多量に摂取する事は避け、他の薬との併用を行うような場合は、必ず主治医に相談をしましょう。